まだ病院に行ってないから自分や身内の誰かがADHDか分からないという方はいませんか?
インターネット上で出来る簡単なテストではADHDと出たけど、これやってる人ほぼADHDって言われてない?と不信がる方もいるでしょう。
今回は筆者の経験のもと、ADHDと気付くまでどんな症状が出ていたか、また放っておくと危険な二次障害についてもご紹介します。
ADHDと気付くまでの症状
それでは早速ADHDと気付くまで一体どんな症状に悩まされてきたか、筆者の実際の体験談をお話したいと思います。
学校や職場に行けない
こちらは学生さんや会社員さんにとって、かなり致命的だといえます。
特にこれといった理由はないのですが、学校や職場にどうしても行けなくなるのです。
例えば「学校や職場でいじめられている。」とか「学校や職場に嫌いな人がいる。」などといった明確な理由があるなら、行けない理由も分かるでしょう。
しかし筆者は急にふと「あ、行きたくない。凄く行きたくない。」と思うのです。
ADHDと気付いていなかった当時は完全にただのサボり魔ですし、人としてどうなんだろうと考えておりました。
しかし行きたくない気持ちのレベルが強すぎて、最終的には「このままいなくなっちゃおうかな。」と思ってしまうレベルなのです。
興味のない事への集中力不足
学校ではつまらない授業、会社ではつまらない会議といった自分の本当に興味のないことってありますよね。
学校や職場以外でも、興味のない映画やドラマなんか本気で見たくないなど人それぞれあるかと思います。
しかしADHDではない方は、そういった興味がなくてもやらなくてはいけない事に対して「仕方ないからやる。」と判断出来ませんか?
筆者は学生の頃、授業中は机を蹴り飛ばして暴れ出したくなるほど我慢が出来ませんでした。
嫌いな教科や嫌いな先生などが理由ではなく、黙って座っていなければならない時間が地獄で本当に耐えられなかったのです。
職場でも同じで、仕事に集中することが出来ずに何度も何度も席を立ってしまいます。
学生時代とは違って割と自分の好きなタイミングで席を離れやすいのですが、お金が発生している中サボってしまうため当たり前ですがかなり怒られました。
細かいミスや同じミスが多い
学生の時はそもそも勉強をしなかったのでテストはミスだらけ。
これは細かいミスなど関係なくただ単に勉強しなかったからなのですが、バイトや仕事となると違いますよね。
例えばバイトでの体験談でいうと、毎日毎日同じルーティーンで行うタスク(掃除など)に関して細かいミスが多かった記憶です。
毎日のようにやっている作業なのに、今日はあれをやり忘れ、昨日はこれをやり忘れなどなど。。。
そしていつしか積み重なって、「またやっていない。」と怒られることになるのです。
職場に関しては個人情報などの機密情報を取り扱いますし、細かいミスが致命傷になるでしょう。
そんな中で私は契約書の記入漏れや会社の鍵を持ち帰る等のミスをしてしまったのです。
会話などのコミュニケーションが合わない
小さい頃は”白木ゆきワールド”と呼ばれ「自分の世界観があって面白いね。」と言われていました。
決して誉め言葉ではないのでしょうが、当時はその言葉だけで笑って許されていたのです。
しかし自分が大きくなるにつれて、失笑されたり警戒されたり聞き流されたりとどんどんコミュニケーションに支障が出始めました。
自分に娘や息子がいる歳の方は筆者の話をまるで小さい子が話しているかのように聞いてくれます。
これも決して良い事ではないのでしょうが、筆者はそれでも話を聞いてくれることに感謝しているのです。
しかし歳の近い人にはすぐに「面倒くさい人」などと思われてしまい、話の大半は聞いてくれません。
ここで実際の会話シーンの再現
〇〇ってアイドル可愛いよね。
あー。。。(考え中)
・・・?
何でだろうね。
「〇〇ってアイドル可愛いよね。」に対して「可愛いよね。」から話が膨らむのが正解でしょう。
しかしそうではなく筆者は、(何で可愛いのかな、両親のどっちに似たのかな、やっぱり低身長の方が可愛がられやすいのかな、目は二重が可愛いのかな)
などとたっっっくさん考えてしまうので、答えは「何でだろうね。」です。
そのためこの会話を面白いと思う方にはハマるし、嫌悪感が出る人にはすぐに嫌われます。
どんどん環境が悪化していくADHD
ADHDと判明するまでの症状を上記でご紹介しましたが、これらの症状によって年を重ねていく毎にどんどん環境が悪化していきます。
年齢によって生活する環境が変わっていくと共に、今まで許されていたことが許されなくなってしまったからでしょう。
どのように悪化していったか詳しくご紹介します。
周りから人が離れていく
コミュニケーションの相違やミスの回数の多さによる不信感などで周りからどんどん人が離れていきました。
学生の時は”ズレてて痛いやつ”といった理由で友達から省かれ、職場では「白木に仕事を任せるのは辞めよう。」という流れが作り出されたのです。
ですがそれでも筆者のことをエンターテイメントの一部として受け入れてくれる人はいたので、友達や信頼できる人は少数いました。
基本的になめられる
初対面の方にも割とすぐなめられて見下されることが多いです。
ざっくり筆者のプロフィールを見れば、学校や会社に行ってないことがバレるでしょう。
そういった学歴や職歴で見下されるのは、正直もう仕方ないです。
しかし少し話しただけでもコミュニケーションがおかしかったり、ミスが多発したりするので「この人は何も考えていない。」と決めつけられます。
まぁ、頭は悪いんだけどね!!
通学や通勤時に泣き出す
何も考えずに通学も通勤も出来れば良いのですが、急に「あ、行きたくないな。」と思った後に沢山のことを考えてしまいます。
どうして行かなきゃいけないんだろうから始まり、最終的には何で生きているんだろうまで到達するのです。
そうすると涙がどんどん溢れてきて、泣きながら通学したり通勤したりすることもありました。
特にいじめられている訳でもないですし、これといった理由はないのです。
どうしても行きたくないのに、何で誰にもこの気持ちが通じないのかと一人でモヤモヤしていました。
嫌だと駄々をこねる子供みたいと思うでしょう。筆者もそう自負しています。
ですがどうしても泣いてしまう日々を過ごしておりました。
怒られる回数が異常
幼稚園から会社員までどの環境においてもずっと怒られて育ってきました。
幼稚園生の時はじっとしていられなかったので、何度か”お仕置き部屋”といって今にもお化けが出そうな暗い和室に閉じ込められたり。。。
バイトでも大声で怒鳴られ、会社では淡々とお説教をされ、本当に沢山怒られている人生です。
しかも大体は”当たり前のこと”で怒られるので、どうして自分にはその”当たり前のこと”が出来ないのだろうと沢山悩んできました。
筆者が怒られている姿を周りの同僚や友達も見る回数がだんだんと増えてきて、「何もできない人」というレッテルを張られるのです。
恐ろしい二次障害の併発
ADHDの症状だけでは留まらず、放っておくと二次障害に繋がることもあります。
実際に筆者はADHDの症状が重なりに重なり、様々な病気が併発してしまったのです。
一体どんな二次障害があったのか詳しくご紹介します。
とうとう鬱病になる
中学生の頃から次第に出席率が悪くなり、高校は最終的に中退してしまいました。
高校を中退する前の数か月はストレスがピークに達しており、学校に行き友達の前で泣いてしまったり、毎日お風呂に入っていてもフケが出てしまったり。。。
食欲も無くなり寝れなくなり、どうすればいなくなれるのか毎日考えていました。
高校を中退してから毎日同じ動画を一日中見返して、2リットルのバニラアイスだけを食べていました。
当時心療内科に行ってもADHDが日本であまり有名でなかったために、鬱病ともADHDとも診断されずに”病名無し”で帰されたのです。
そのため病気でもないのに何も出来ない自分に更に病み、事態はどんどん悪化していきました。
後日、当時の話を別の先生にしたら「鬱病」って診断されたんです。
自律神経失調症も併発
自律神経失調症はストレスにより発症するのですが、症状は様々あります。
筆者の実例としては、
以上です。
鬱病の苦しみと共に、上記の症状も合わさってとても生きた心地はしませんでした。
マスク病などの被害妄想
こんな自分が生きているのは恥だと思い込んでいましたし、誰かに会うのを本当に恐れていました。
そのため外出する際は絶対にマスクを着けてなるべく人混みに隠れるように移動していたのです。
またすれ違った人全員が自分のことを見ているなど、今知らない人に何かヒソヒソ言われているなどかなりの被害妄想もしていました。
何故二次障害になってしまうのか
最初はADHDだけだったはずなのに、なぜ二次障害を併発してしまうのでしょうか。
ADHDは絶対に二次障害を併発してしまう訳ではないのですが、以下のことに注意しないと併発の可能性もあります。
自分に開き直れていない
「何でこんな事も出来ないんだろう。」と自分を責めていると、どんどん悪い方向へ走っていってしまいます。
そうして周りと比べたり、自分を責めたりしていればストレスは溜まる一方ですし、自尊心も失われ自分は価値のない人間だと思ってしまうのです。
そうではなく、「そっか、自分はこれが苦手分野なんだ。」と気付ける良いきっかけだと考えなおしてください。
またどうしても出来ないことは出来ないと開き直り、可能であれば出来ないことは避けましょう。
無理して頑張らなければ生きていけない訳ではありません。
周りのサポートが足りていない
相談したくても周りが話を聞いてくれなかったり、酷い言葉で返されたりすればストレスが溜まって二次障害が併発するのも無理はないです。
自分では中々生活環境を変えられない未成年の方なら、尚更周りのサポートが大切になります。
また成人でも悩んでいる時はまともな判断が出来ない可能性もあるのです。
そのため年齢問わず、悩んでいるのであれば信頼出来る方に相談して恥やプレッシャーは捨てて助けを求めましょう。
もし周りが当てにならないのであれば、専門医や電話相談などの快く対応してくれる機関に全力でサポートしてもらうことが大切です。
ADHDだと気付いていない
自分がADHDだと気付いていない場合、世間でいう”当たり前のこと”が出来ずに自分をとことん責めてしまいます。
また自分がADHDだと主張しなければ、周りも「ただの何も出来ない人」と考えてしまい怒られるのも無理はないでしょう。
最近ではADHDは沢山の病院で診てもらえるようになりましたし、有名な病名となりました。
そのためもしかしたらADHDかもしれないと思う節があるのなら、すぐに診断してもらうよう心がけましょう。
大切なのはしっかり診断してもらうこと
自分で自分のことを知るのはとても大切です。
もし生活に支障が出ていて少しでもストレスを感じているのであれば、しっかり病院で診てもらって診断してもらいましょう。
インターネットではなく病院で
最近ではインターネットで自分がADHDなのか簡単に調べられるでしょう。
しかしそこでの結果がADHDだったからといって、世間に公表するのは筆者は良いとは思いません。
病院に行くきっかけに繋がれば良いのですが、本当はADHDじゃないのに簡単テストの判断で公表するのはどうかと思います。
ADHDと言っておけば、遅刻やミスをしても許してもらえるといった理由で平気で嘘を吐く方も中にはいるのです。
それってADHDで困ってる人に、本気で失礼な事だよね。
病院ではADHDやアスペルガーかを調べるためにしっかりとしたテストが用意されています。
そのテストを受け、更に専門医からの診断を受けた上でADHDと名乗るようにしましょう。
それ以外の人は、ADHDの人を慰めるつもりでも「(ネットの診断結果で)私もADHDだったよ!」と軽率な発言をすることは絶対に控えてください。
面倒臭くても絶対に行く
ADHDかもしれないと薄々気付いていたとしても、もう自分をケアすることに対してどうでもいいと思っている方もいるかもしれません。
しかしそのどうでもいいと思っている気持ちは、本来の貴方の気持ちではなく病気に操作された気持ちだと考えてみてください。
「試しに一回」とか「近所だから行ってやってもいいか」位の気持ちでも良いので、面倒くさくても絶対に病院に一度行きましょう。
また飽き性で継続的に何かする事を嫌うADHDですが、病院は頑張って通うようにして日常のストレスから解放される未来に近づきましょう。
ADHDに対して処方される薬の中には集中力を補ってくれる薬もあるため、ADHDの学生や社会人にとって偉大な助けとなる場合もあります。
【まとめ】早めの判断が大切
風邪を引いた時のように、熱っぽかったり咳が出るなどの症状が少しでもあれば「風邪かな?」と疑いますよね。
その場合と一緒で、ADHDかもしれないと思うのであればすぐに病院へ行く判断をしましょう。
もしADHDの症状が出ていても生活に支障がないのであれば話は別ですが、苦しい思いをしているのなら適切な処置をしなければなりません。
ADHDで苦しんでいることに今は我慢が出来たとしても、二次障害が併発してしまえば普段通りの思考回路にならない場合もあるのです。
結果的にADHDじゃなかったとしても、少しでも疑う要素があるのならなるべく病院に行って診てもらいましょう。
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