病院で処方される薬の中には、人によって身体に合うものと合わないものがあります。
様々な薬をある程度飲んだ経験のある方なら、自分に合わない薬を処方されるのを未然に防げるかもしれません。
しかし初めて処方される薬は、実際に飲んでみない限り自分の身体に合うか分からないでしょう。
今回は合わない薬を処方された場合、どのように対処すれば良いかをご紹介します。
薬の「合わない」とは?
まずはじめに、薬が「合わない」というのは具体的にどういった場合に「合わない」となるのかを考えてみましょう。
処方された薬を飲んでみて、もし以下の条件に当てはまるのであればそれは合わない薬なのかもしれません。
体調不良を感じる
処方された薬を飲んでみて、飲む前よりも明らかに体調不良を感じる場合は合っていない薬の可能性があります。
具体的に体調不良とは、
以上のことが挙げられます。
上記の体調不良一覧以外にも飲んでいる方、また薬によっては他にも様々な体調不良となる可能性もあるのです。
つまり一概に決められませんが、本人が体調が悪いと少しでも感じるのであれば医師に相談をすることをおすすめします。
治したい症状が薬を飲む前より悪化する
何かしらの症状を抑えるように処方される薬ですが、稀に治したい症状が薬のせいで逆に悪化する場合があります。
筆者の実際に体験したエピソードですが、「むずむず脚症候群」の症状を抑える薬によって脚だけではなく両手にまで症状が広がりました。
治したいものが逆に悪化してしまったため、そのまま睡眠することが困難となり二次障害となってしまったのです。
こうして目に見える悪化なのであれば、すぐに服用を辞めてなるべく早く医師に相談しましょう。
効果を感じられない
薬の種類にもよりますが、睡眠薬のように即効性のある薬と、毎日飲み続けてじわじわと効果を感じさせる薬と様々あります。
即効性のある薬であれば、服用した数時間以内には効果の有無を確認できるかと思います。
しかし飲み続けるタイプの薬は、数日効果を感じられなくても1週間から1か月など飲み続けなければ分かりません。
そのため効果がないからと自己判断で服用を辞めてしまうのは正しい治療にはならないのです。
ですが、あまりにも効果を感じられない、もしくは医師の説明通りに効いてこないのであれば医師に相談しましょう。
飲み続けるタイプの薬は、効果を確認するために定期的に病院に通うように医師から言われるはずです。
自分が困っている症状を早く良くするためにも、医師の指示に従いしっかりと通院することを心がけてください。
薬の効果の確認のために最初の方は月に何度も通院するかもしれないけど、ある程度合う薬を見付けられれば通院回数も減るから、少しの我慢が大事!
【筆者の体験】「合わない薬」による副作用
筆者は心身共に強い方ではないため、今までに様々な薬を服用してきました。
その中で自分の身体によく起こった副作用についてご紹介します。
- 吐き気、食欲不振、胃の不快感
- 眠気
- 便秘や下痢
この副作用は正直、副作用あるあるといっても過言ではないほど様々な薬で感じられました。
薬剤師の方からも耳にタコが出来るほどほぼ毎回説明される副作用のため、症状を治したい気持ちで甘んじて副作用を受け入れる気持ちで服用しています。
ただ場合によっては、その困った副作用を抑えるための救済措置として別の薬も同時に処方してもらえるのです。
例えば「胃の不快感」が副作用として出る薬には、「胃の粘膜を整える薬」をセットで出してもらえます。
そのように副作用への対処をしながら上手く薬を服用することが大切なのでしょう。
逆に「合う」薬とは?
効果を感じられなかったり、逆に症状が悪化してしまったりすれば「合わない」ということは分かりましたよね。
それでは逆に自分に「合う」薬の特徴とは何でしょうか。
せっかく相性の良い薬に巡り合えたのに、本人がそれに気付かないのは勿体ないです。
著しく効果を感じられる
処方された薬を服用したことによって、困っていた症状がしっかり改善された。または、どんどん体調が良くなってきていると感じた場合はそれは合う薬なのでしょう。
どうしても薬は、薬によって体調を調節するため少なからず副作用が出てしまう場合があります。
そのため筆者は「副作用1:効果9」の割合であればそれは許容範囲ですし、合う薬に巡り合えたと思っています。
だからといって副作用の存在を無視してはダメ。少しでも副作用があるのなら、しっかり自分の体調をサポートしよう。
飲まないと生活が困難になる
薬を飲めば普通の生活が送れるが、飲まないと何もできないという場合も薬がしっかりと身体に働いてくれている証拠となるでしょう。
例えばADHDが服用する「コンサータ」という薬がありますが、これを飲まなければ”当たり前のこと”をする事が困難になります。
このように普通の生活を送る上で必要不可欠となる薬が症状によって用意されているのです。
しかしコンサータもそうですが、依存性のある薬の服用は別件となるので注意してください。
長く飲み続けて依存してしまい、合う薬という概念から外れてしまっている可能性もあります。
ですがその依存を回避するために急に服用を辞めると、今度は「離脱症状※」に悩まされるかもしれません。
そうした依存性のある薬は通院しながら症状の経過をみていく中で、薬を減量したり服用をお休みする期間を作ったりと上手に調節していくことが大切です。
合う合わないの見極め方
自分に合っている薬も合っていない薬も正直あまり実感できないという方もいるのではないでしょうか。
目に見えた効果を感じられなければ、自分に合っているとも気付きません。
逆も然りで、効果が無いことにも気付かず合っていない薬を言われるがまま飲み続けてしまう場合もあるでしょう。
そうした薬の合う合わないをなるべくスピーディーに判断できるように、分かりやすくまとめてみました。
副作用が軽度の場合は2~3日様子を見る
薬の服用によって感じられた副作用が対して気にならない場合は2~3日様子を見てみましょう。
生活に支障を来さない程度であれば薬がしっかり働いている証拠でもありますし、毎日忙しい方もしょっちゅう病院に行かずに済みます。
しかし体調不良が長続きし、効果も実感できない場合は薬が合っていないかもしれません。
その場合は速やかに病院に連絡をして指示を仰ぎましょう。
薬の説明を読み込む
薬局などで薬を処方してもらう際に、薬の説明が書いてある文書を一緒に渡されるかと思います。
その文書には「どの薬を”いつ”、”何錠”服用するか。」が記載されているかと思いますが、それ以外にも「どういった効果が得られるか。」、「どんな副作用がみられるか。」といった説明もあるはずです。
合う合わない薬をスピーディーに判断するためには、こうした薬の説明が非常に重要な要素になります。
薬剤師からの説明も聞き流さず傾聴し、帰宅後ももう一度読み込んでこれから服用する薬について詳しく知りましょう。
そうすれば記載されていない副作用などを感じた場合や万が一の場合、速やかに行動できるかと思います。
お薬手帳を活用する
2021年現在ではお薬手帳が普及しており、非常に大切な記録管理のツールとなっています。
今まで処方されていた薬や現在服用中の薬をすぐに確認することが出来るのです。
そのため、病院や薬局を変えたとしても医師の診断や薬剤師との会話がスムーズになるでしょう。
またお薬手帳は薬局ですぐに貰えるという便利さもありますし、手帳自体がノートのようになっており自由に書き込みも可能となっています。
なので処方された薬のデータの下に、自分が感じた副作用などをメモすればより効果的なものとなるはずです。
【まとめ】無理して飲む必要なし!
服用する薬によって副作用があり悩まされるくらいなら、無理してその薬を飲み続ける必要は全くありません。
症状を早く治したいからといって副作用を我慢して合わない薬を飲んでしまえば、別の二次障害が発生する可能性があります。
治したいのに余計に悪化してしまったり、服用する前より体調が悪化するのであれば元も子もないでしょう。
薬には同じ効果をもたらしますが別の名前や別の原材料などで様々な種類が存在しています。
そのため少しでも副作用が気になるのであれば、同じ効果を発揮する別の薬に切り替えても構わないのです。
合わない薬を無理して飲み続けるのではなく、副作用のことを考えて上手く対処するように心掛け自分の身体をしっかりと労わりましょう。
コメント